デザインするということは、何かに新しいカタチを与えることであるとともに、そのカタチが必然性を持ち、生命がかようものにするために、何を変えずにおくべきかを見極めることでもある、ということができないだろうか。だとしたら、デザインの視点は、不易(変わらないこと)と流行(変わること)という、矛盾した真逆の要素を調和させる道を示す力がある。

「DESIGN MUSEUM JAPAN展 集めてつなごう 日本のデザイン」の企画のなかで柴田文江さんがその目で「デザインの宝」として見出した「甲斐絹」は、郡内産地にとって、どんな存在なのだろうか?変わり続けてきた郡内産地の、変わらないものとは何なのか?産地が未来に続く新しいカタチを見い出すためにはどうしたら良いのだろうか?甲斐絹から現代へ至る産地の道筋をなぞった展示空間で、産地とものづくりの未来を考えます。


 「産地とデザインの不易流行 ~変わるカタチ・変わらないカタチ~」

日時:2022年12月2日(金)16:15-17:45
会場:FUJI TEXTILE WEEK  産地展「WARP&WEFT」会場内
住所:山梨県富士吉田市下吉田3丁目5−16 ワタトウビル3階
登壇:柴田文江氏(プロダクトデザイナー)
高須賀活良氏(WARP&WEFTディレクター)
五十嵐哲也氏(進行 / 山梨産業技術センター主任研究員)

柴田文江 プロダクトデザイナー

武蔵野美術大学工芸工業デザイン学科卒業後、大手家電メーカーを経てDesign Studio S設立。 エレクトロニクス商品から日用雑貨、医療機器、ホテルのトータルディレクションなど、国内外のメーカーとのプロジェクトを進行中。iF金賞(ドイツ)、red dot design award、毎日デザイン賞、Gマーク金賞、アジアデザイン賞大賞・文化特別賞・金賞などの受賞歴がある。多摩美術大学教授、2018-2019年度グッドデザイン賞審査委員長を務める。著書『あるカタチの内側にある、もうひとつのカタチ』。

高須賀活良 / Katsura Takasuka

東京造形大学でテキスタイルデザインを学ぶ。在学時は日本各地を旅し、その土地にある素材にインスピレーションを受け作品を制作。大学院では、モノづくりの始まりは「土」からであるというコンセプトのもと、原始布の研究をし、2011 年 修士号を取得。現在はアーティストとして国内外で作品の発表の他、織物産地でのテキスタイルデザイン、ファクトリーブランドの立ち上げ、アートディレクターとして幅広い分野で活動中。2016 年からは 1,000 年以上続く織物産地、山梨県富士吉田・西桂の織物産地プロジェクト「ハタオリマチのハタ印」総合ディレクターに任命。