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Fuka Nagata

展示会場
FUJIHIMURO
参考作品《家政 – 部屋と声、動作のためのサウンドトラック》2025
参考作品《家政 – 部屋と声、動作のためのサウンドトラック》2025
About Works
[アーティスト・ステートメント]

秦の始皇 帝の時代、方士の徐福(じょふく)は「東の海の果てにある蓬莱(ほうらい)の山」にあるといわれた不老不死の薬を求めて、船で中国から日本へやってきました。徐福の探していた山こそが不死の山といわれていた、富士山でした。徐福は薬を探しまわりますが、ついに見つかりませんでした。故郷に帰ることもできなくなった徐福は、村の娘と結婚し、いまの富士吉田の地で暮らすことにしました。そこで織物の技術を村の人々に伝え、やがて村では織物が盛んになった、という伝説です。
日本各地に残る伝説の中で、徐福は土地を拓き、農耕、漁法、捕鯨、紙すき、養蚕、機織り等の技術を伝えた。徐福が日本に辿り着いて住んだとされる場所には「ハタ・ハダ」を含む地名が残り、その子孫は「秦(はた)」と称したとも言われているとか。
山梨県都留市では、徐福がのちに鶴に姿を変えたという逸話から地名が「都留」になったと伝えられます。また、本会場の目の前の福源寺には「鶴塚」があり、同じく鶴へ化身した徐福の物語を伝承しています。
FUJI TEXTILE WEEKでは、「織り⽬に流れるもの」という今回のテーマに対して、徐福に関する伝承を出発点に、布や繊維産業の「移動して姿を変えたもの」を題材に架空の神楽を制作します。
Artist Profile
永田 風薫 / Fuka Nagata

永田 風薫 / Fuka Nagata

1998年 静岡県浜松市生まれ。メディアアーティスト。2021年 東京藝術大学音楽学部音楽環境創造科卒業。2024年 東京藝術大学大学院映像研究科メディア映像専攻修了。都市空間に流れる音や音楽を扱った作品制作やエレキギターの演奏を通して、音が持つ社会的な力や政治性について考えている。また、土地や人物を写真や録音などを通して記録することや、記録を再生することによる対象の変化に着目し、作品を制作している。主な発表歴に、「防災無線通信 - ホーンスピーカーとサイレンのためのオペラ」(北とぴあ、2024、東京)、「家政 – 部屋と声、動作のためのサウンドトラック」(鴨江アートセンター、2025、静岡)