展示会場
(15)FUJIHIMURO
《TADANORI YOKOO ISSEY MIYAKE》2019
《TADANORI YOKOO ISSEY MIYAKE》2019
About Works
[キュラトリアル・コメント]

1970年に三宅一生によって創業されたイッセイミヤケは、「一枚の布」を基軸とした衣服の概念を提示してきた。その思想を継承しつつ、A-POC ABLE ISSEY MIYAKEは2021年より、一本の糸から衣服を立ち上げる工程そのものを見つめ直し、衣服と芸術の接点における新たな表現方法を探るブランドとして活動している。
本展では、デザイナー宮前義之が率いるA-POC ABLE ISSEY MIYAKEのエンジニアリングチームが、美術家・横尾忠則との協業プロジェクト「TADANORI YOKOO ISSEY MIYAKE」で制作した未発表の5点を、旧富士製氷の氷室空間に展示している。
これらの作品は、富士吉田の織物技術を応用し、横尾忠則の絵画作品を一枚の布の構造として再構築したものである。複数の糸の密度調整や色糸の重ね合わせによって、絵画が持つ色彩の力学や動勢が織物の内部に翻訳され、原画とは異なる形で再提示されている。表裏で異なる色が交差し、織りの構造そのものが視覚化される点は技術的にも特筆すべき要素である。
また、それらが「衣服として着用可能である」という前提は、鑑賞者が作品に身体的に関与する可能性を示し、絵画の再解釈にとどまらず、変容する社会における芸術と身体、芸術と生活の関係そのものを問いかける契機となっている。
Artist Profile
A-POC ABLE ISSEY MIYAKE

A-POC ABLE ISSEY MIYAKE

「A-POC ABLE ISSEY MIYAKE」は、作り手と受け手とのコミュニケーションを広げ、未来を織りなしていくブランドです。1998年に発表したA-POCは、服づくりのプロセスを変革し、着る人が参加する新しいデザインのあり方を提案してきました。時代を見つめながら進化を遂げてきたA-POCを、宮前義之率いるエンジニアリングチームがさらにダイナミックに発展させます。一枚の布の上に繰り出すアイデアは多彩に、着る人との接点は多様に。異分野や異業種との新たな出会いから、さまざまな「ABLE」を生み出します。