FUJI TEXTILE WEEK は、1000年以上続く織物の産地でもある山梨県富士吉田市の産業の歴史を根底に、伝統産業および地域活性を目的として2021年よりスタートした、テキスタイルと芸術が融合する国内唯一の布の芸術祭です。テキスタイルに光を当て、アートやデザインを通じて、テキスタイルの新たな可能性を模索し発見するイベントです。
また、産地を物づくりの起点として国内外の様々なコミュニティーと結ぶことや、使われなくなった織物関連の工場や倉庫、店舗などを展示会場として再利用することで、産業の記憶の保存と街のアイデンティティ形成に取り組んでいます。
本イベントを通して富士山麓にある織物の街、富士吉田の活性化を目指しています。

今年のテーマは「織り目に流れるもの」

FUJI TEXTILE WEEK 2025のテーマは「織り⽬に流れるもの」としました。⽬に⾒える織り⽬の下には、無数の⾒えない⼒が⾛っています。それは、まるで地下を流れる伏流⽔のように、⾳や⼿のリズム、記憶、⼟地の気配が、織物の下層で脈打っているのです。そんな、可視化されないもの、下に潜むものに焦点を当て、織物という表層からその⽂化背景や歴史の深層を探ろうとする想いを込めています。2023年に引き続き、アート展のディレクターは南條史⽣が、キュレーターは丹原健翔が務めます。

アート展ディレクター南條史生からのメッセージ
Message from Director of Art Exhibition

富⼠吉⽥にテキスタイル産業が発達したのは、そこに富⼠⼭から流れ来る清澄な伏流⽔があったからだと聞く。それは地表の川と なって⾒えている部分だけではなく、地下の⾒えない⽔脈も含んでいる。とうとうと流れる地上と地下の⽔の流れは、壮⼤な季節と ⼤地の営みの⼀部なのだ。それを想像してみると、急に視野が広がり、富⼠⼭を俯瞰したような気がしてくる。この⽔の流れが今回 のテーマ「流れる」という⾔葉とつながり、様々な連想を⽣む。 また「流れる」とは流動的な布のあり⽅とも繋がっている。現代は変化の時代だ。世界中がどんどん変化していて、価値観も、技術 も、常識も変わる。そんな時代を乗り越えるためにも、織り⽬に流れるものについて考えてみよう。 今回で4回⽬になるこの展覧会は、2021、22、23年と続けてきたが、2024年には⼀年の準備期間をもうけて、本年2025年に開催とな った。この間に、およそ 30⼈のアーティストに富⼠吉⽥に来ていただき、⾃然を味わい、町を歩き、テキスタイル関係者とも交流 し、その結果として、様々な企画、作品制作の提案をいただいた。今回、このような過程を経て、より富⼠吉⽥の⼈々と対話し、町 にかかわる提案をいただけたことを感謝している。こうした丁寧なプロセスを通して、今年のFUJI TEXTILE WEEKが新たな⼒を持 ち、より多くの⼈の賛同を得られることを期待したい。

インフォメーション / Information

名 称 FUJI TEXTILE WEEK 2025
会 期 2025年11⽉22⽇(⼟)〜12⽉14⽇(⽇)*11/25(⽕)、12/1(⽉)、12/8(⽉)は休館
会 場 ⼭梨県富⼠吉⽥市下吉⽥本町通り周辺地域
チケット 8⽉下旬発売開始予定
公式SNS Instagram:@fujitextileweek X:@FUJITEXTILEWEEK
主 催 ⼭梨県富⼠吉⽥市
企画運営 FUJI TEXTILE WEEK 実⾏委員会