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YU SORA

展示会場
旧文化服装学院
作品イメージ| 日々
作品イメージ| 日々
Photo by Gu Kenryou
Curator’s Text
出展作品タイトル: 《日々》

ユ・ソラの扱う素材は布と糸である。比喩的に言えば、布地は基本的に展示空間内部の事物の表面の皮膚を形成する。それらの皮膚を形にするのは、皮膚を継ぎ合わせる黒い糸の働きである。この役割分担は、服や着物を作るときも同じだろう。しかしユはそれを衣服ではなく一つの部屋のインテリアまで拡張する。彼女が作る全ての製作物の色合いは布の白である。その空間の中には誰でも見たことがあるような生活の雑貨や家具が並んでいるが、全てが白いためにそれは夢の中か、あるいは平行世界のメタバースのような不思議な空気が漂っている。それは過去の思い出かもしれない。何れにしろ「2001年宇宙の旅」の最後のシーンのような無機質な質感とは違って、そこはかとなく暖かく,懐かしい空間に思える。糸はその思い出をつなぎ合わせる魔法かもしれない。白によるある種のミニマルな空気と、潔癖な清潔感が独特の世界を作り出す。空間全体を作品とする大型のインスタレーションであり、また観客が体感することができる没入型の作品ということも出来る。黒い糸は世界を一つにまとめる洞察の隠喩かもしれない。
Artist Profile
ユ・ソラ / YU SORA

ユ・ソラ / YU SORA

2020年東京藝術大学大学院美術研究科 彫刻専攻修士課程修了。刺繍の平面作品や立体作品のインスタレーションなど、白い布と黒い糸を使った作品を展開している。2013年黄金町バザール参加、2018年Tokyo Midtown Award 優秀賞を受賞、2019年六本木アートナイト参加。2020年第68回東京藝術大学修了作品展買上作品・杜賞。2022年sanwa company Art Awardグランプリを受賞。
近年の主な個展に「もずく、たまご」(資生堂ギャラリー、東京、 2023年)、BankART Under35(BankART KAIKO、横浜、2022年)、「普通の日」(あまらぶアートラボ A-lab、兵庫、2021年)、「些細な記念日」(ロッテギャラリー、ソウル、2018年)、「引越し」(YCC Gallery、横浜、2017年)など。

協力:株式会社前田源商店