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PACIFICA COLLECTIVES

展示会場
旧糸屋
作品イメージ | Small Factory
作品イメージ | Small Factory
Photo by Gu Kenryou
Curator’s Text
出展作品タイトル: 《Small Factory》

PACIFICA COLLECTIVESは名前どおり、コレクティブのように国内外のアーティストとコラボレーションしてインテリア雑貨を制作するブランドである。糸の手染めから制作までの緞通職人たちとネットワークをもつPACIFICA COLLECTIVESは、人柄の相性などを考えながら作家を選定する。実にコレクティブ的であるその丁寧なプロセスもあって、PACIFICA COLLECTIVESは現代のサブカルチャーとの接続も多く、製造・販売を超えてシーンを牽引する一躍を担っている。

旧絹屋街の糸屋だった会場では、何色もの手染めの糸巻が制作途中のアートラグに刺さった状態で展示されている。現代美術と伝統技術のコレクティブ(=集合)として、我々の日常と芸術の交点となる場を生み出すこと。時には何十色もの糸を集合させて作家の思い描く画を表現するPACIFICA COLLECTIVESの制作と活動には奇しくも比喩的な類似性を感じる。

SARUYA HOSTELでは、ポップアップを兼ねたインスタレーションが展示されている。旧糸屋での展示と併せると、お店の装いもまた芸術実践の延長線上にあることがわかる。プロセス自体がカルチャーを”編み出す”PACIFICA COLLECTIVESのその様子を、富士山麓の織物産地文化の成り立ちと重ねて見ることができるのは、本芸術祭にとって大変有意義である。
Artist Profile
パシフィカ コレクティブス / PACIFICA COLLECTIVES

パシフィカ コレクティブス / PACIFICA COLLECTIVES

インテリアとアートを融合させたアーティスト・インテリアブランド。アーティストやイラストレーターとコラボレーションし、主にラグやクッション、時計などのインテリアグッズに作品を落とし込む。アート作品のような “コレクションしたくなる” インテリアグッズをメイドインジャパンにこだわり、手作業で制作する、アートラグの草分け的存在。2020年より東京九段下にヴィンテージ家具やアート作品を展示するギャラリーをオープン。KINJO、Tomoe Miyazaki、FACE、花井祐介、安野谷昌穂といった国内アーティストの他、Jeffrey SincichやNathaniel Russellなど国外のアーティストとの共同制作・展示企画を行う。これまでに代官山蔦屋書店や新宿伊勢丹などでイベント・ポップアップストアを主催。